読書③~『お金のこと何もわからないままフリーランスになっちゃいましたが税金で損しない方法を教えてください!』の感想
こんにちは、さちです。
転職活動をした関係で一時期どこの会社にも所属しなかった時期があったのですが、お金に関する手続きの知識が全くなくて苦労をしました。
そこで、私はフリーランスではない(このブログも趣味でやっている)のですが、お金の知識を身に着けるために掲題の本を読んだので、学んだことを書いていきます。
本の紹介
『お金のこと何もわからないままフリーランスになっちゃいましたが税金で損しない方法を教えてください!』大河内薫・若林杏樹著
著者の2人は税理士さんと漫画家さんで、漫画で分かりやすく、税金に関して説明されている本です。
どういう人にオススメか
下記のような人にオススメしたい本だと思いました。
この本から学んだ内容
①源泉徴収票の見方
・支払金額:会社が1年間で支払った給与の総額(=年収)
・社会保険料:健康保険と年金
※住民税は源泉徴収票に記載がないが、別でひかれている
→つまり源泉徴収票とは、1年で会社はあなたにいくら給料を払いました、そのうちいくらを税金や保険料として代わりに払っておきました、というお知らせの紙
→会社員の場合は会社が自動的に税金を支払ってくれていたが、フリーランスの場合は自分で行う必要がある。それが確定申告と納税
②フリーランスと会社員の違い
・社会保険:フリーランスは全額自己負担、会社員は会社が半分負担
・信用問題:フリーランスには家が借りづらい、住宅ローンが通りづらい、クレジットカードが作りづらいという問題がある
③フリーランスになろうと思ったらやること
【開業前】
・領収書・レシートを保管する(開業前、会社を辞めていないときでもOK。開業準備費用として確定申告に反映できる)
・脱サラのフリーランス転身直後は信用が下がるため、クレジットカードの作成や引っ越しは退職前にやっておくとよい
【開業後】
・「開業届」と「青色申告承認申請書」の提出
④そもそもなぜ税金を払うのか
・税金は国の売上で、税金のおかげで色んなサービスを受けることができているから(交番・ごみ収集無料、医療費3割負担など)
⑤知っておくべき4つの税金
1)所得税
・1月1日から12月31日の1年間で稼いだ所得に対してかかる税金で、国に払うもの
・税率は5~45%(累進課税制度といって、稼ぎが高いほど税率が上がる)
・これを自分で計算して国(=税務署)に提出・納税するのが確定申告
・納付期限は3月15日
・売上-経費=所得
・売上-経費-控除=課税所得。税金は課税所得に対してかかる
・控除は14種類ある。扶養控除、配偶者控除、医療費控除など
→節税への近道は経費をたくさん作るか、控除をたくさん使い、課税所得を減らすこと。
・源泉徴収は、報酬発生時点で国が所得税を先取りする仕組み。後払いにしたら3月にしか国にお金が入ってこないため、報酬を払う前に会社が一部を天引きして国に先に納付している。払いすぎた場合、確定申告後に返ってくる可能性がある。
2)住民税
・自分が住んでいる都道府県&市町村に払う税金
・所得に対して一律10%
・確定申告をもとに、自治体が計算
・確定申告は3月15日までで、住民税は6月からなので時差がある
・納付期限は翌年6・8・10・翌々年1月の4回払い
3)事業税
・所得に対してかかる税。利益が290万以下の場合は免除、また職種により税率が異なる
・確定申告をもとに、自治体が計算
・職種は開業届や確定申告の職業欄でチェックされ、役所が判断。同じ職業でも課税されるときとされないときがあったりする
・例えばブロガーは文筆業と判断されれば0%だが、アフィリエイトブログで広告業と判断されれば5%
・翌年8・11月の2回払い
4)消費税
・売上が1000万超だとかかる
・自分で計算して税務署に確定申告
・翌年3月31日に支払う
→つまり会社員の場合、今年分が毎月天引きされているのは所得税のみ(払いすぎた分は年末調整で戻ってくる)。住民税は、前年1~12月の所得を元に4~5月に金額が決定し、6月~翌年5月までにかけて、前年分の住民税が天引きされている
→そのため退職した場合は給与から天引きされるはずだった住民税を払う必要がある。前年所得が高かった場合は金額が大きくなるので要注意
⑥社会保険制度とは
・病気や老後などのリスクに備える公的な補償
・国民が払う保険料で賄われており、医療保険・年金保険・介護保険などがある
→会社員の場合は会社が手続きをしてくれるが、フリーランスの場合は自分で手続きをする必要あり
・保険料の負担:会社員は会社が半分負担、フリーランスは自分で全額負担
・加入方法:会社員は会社が手続き、フリーランスは自分で手続き
・扶養制度:会社員はあり(配偶者や子は保険料0円)、フリーランスはなし(配偶者や子も人数分かかる)
→フリーランスが加入するのは主に国民健康保険と国民年金で、会社を辞めた場合も自分で手続きが必要。手続きは自分が住んでいる市区町村役所で行う
→フリーランスは税金と同じで自分で手続きが必要、扶養制度が使えない、国民健康保険は健康保険より特典が少ない、国民年金は受取額が少ないというデメリットがある
→一方で社会保険で支払った分は全額控除になるので経費のような効果がある、というメリットがある
⑧国民健康保険について
・会社員からフリーランスになると、健康保険から国民健康保険に切り替えが必要。前年の所得で保険料が決まるので住民税と同じく高額になる可能性あり。
・扶養に入る・国保組合に入る・脱サラ時は任意継続することで保険料が安くなる可能性がある。
⑨国民年金について
・20~60歳全員が加入し、65歳から受給できる制度
・フリーランスは国民年金のみ、会社員は国民年金と厚生年金がもらえるので、フリーランスの方がもらえるお金が少ない。自分でもらえる年金を増やすため、国民年金基金・付加年金という上乗せ制度がある
・未納の年金は2年分は後納できる。儲かった年にまとめて払えば、全額がその年の控除になり節税になる可能性も
⑩扶養について
・扶養される人の年収の壁は社会保険の場合は130万円で、所得税の場合は103万
・メリットは社会保険の場合は被扶養者の保険料が0円になること、所得税の場合は扶養者の所得税が安くなること
⑪フリーランスの売上の管理について
・銀行の通帳の金額をそのまま売上だと思って帳簿に記載すると、源泉徴収がひかれた後の金額しかわからない(前払いした税金が取り戻せなくなる)ので注意
・請求書を保管しておき、実際の支払額と一緒に売上を管理するとよい
⑫税務調査について
・税務調査:正しく確定申告されているか税務署から調査官がきて確認すること。法人は4~5年に一度ぐらい、個人にくる確率は1~2%
・税務署は毎年たくさんの確定申告を受理しているので、申告時は受理のみ。その後何年か経ってから疑問点を質問にくるのが税務調査
・税務調査では帳簿と領収書を見られるので、確定申告の時に領収書を出す必要はないが、いつか税務調査がきたときのために保管しておく必要がある。調査の対象年度は直近3年分になることが通例
⑬どこまでが経費なのか
・自分の仕事に関連したもの、事業をやっていないと支出しないもの。売上に貢献しているかが重要。
・取材の電車賃=交通費のように、〇〇費というが、これを「勘定科目」という
・どの費用がどの科目に入っていてもそこまで大きな支障はないので、これは何費に該当するか?よりも、これは経費に該当するか?が大事。正確な答えはなく、税務調査官の人数分の解釈がある。自信をもって経費だと説明できるようにしておくことが大事。
・領収書がもらえないときはレシートでOKだが、10万円を超える場合は領収書がベター
・1枚のレシートに仕事用とプライベート用が混在するときは仕事用のみにペンで〇をつけ分かるようにするとよい
・レシートがもらえない場合は100円ショップで売られている出金伝票を書き、交通費の場合は履歴を印字するなど、補足資料をつける
・家事按分:仕事にもプライベートにもまたがる費用について、仕事で使っている分だけ経費にできる。割合にルールはなく、広さや時間で割合を出す方法がある
・経費の余白を作る:経費以外の領収書やレシートも取っておくことで、説得力があがる。
⑭経費に迷うものの例
・1人で作業した時のカフェ代:会議費(使用頻度が高いと指摘される可能性あり)
・コワーキングスペースの利用料:会議費
・「やよいの青色申告」などの会計ソフト:消耗品費
⑮確定申告の種類
1)白色申告(届出必要なし・控除0円・帳簿が簡単)
2)青色申告10万円控除(届出必要・帳簿が簡単)
3)青色申告55万円控除(届出必要・帳簿が大変)
4)青色申告65万円控除(届出必要・帳簿&電子申告が大変)
→以前は所得300万円未満の白色申告は帳簿不要だったが、平成26年度より帳簿のつけ方が青色申告10万円と同じになったので、控除を受けられないぶん損
⑯青色申告の基本
・メリット:身内への給料を経費にできる(届出が必要)、10~30万のものを一括で経費にできる、赤字を3年間繰り越せる
・開業届と青色申告承認申請書の提出が必要。
※申請書を出しても白色申告にすることはできるので、出すだけ出すのがよい
・65or55万の控除を受けるためには申請時に「複式簿記」を選択する必要あり
⑰確定申告に必要な書類
・「青色申告決算書」と「確定申告書B」の2つ
・青色申告の流れ:領収書を保存→取引を帳簿につける→帳簿を元に「青色申告決算書」を作成→「確定申告書B」を作成→税務署に提出して確定申告完了
・帳簿について:10万円控除の場合は家計簿レベルの記入でOKだが、65or55万控除の場合は複式簿記というルールにのっとった記帳が必要
・会計ソフトを使えば簿記の知識がなくても帳簿をつけられ、青色申告決算書を自動で作ってくれる
・帳簿の記入:現金主義(報酬の支払や受取があった日を収入日にする)ではなく発生主義(報酬の支払や受取が確定した日を収入日にする)なので、年末年始は注意
・確定申告書Bは国税庁のHPの確定申告書作成コーナーで入力するのが楽
⑱ふるさと納税について
・本来自分が住んでいる自治体に払う税金の一部を自分が応援したい市町村に払える仕組み
・自治体から届く「寄付金受領書」を使い、確定申告で寄付金控除を申請すると課税所得を下げられる
⑲小規模企業共済
・毎月自分でお金を積み立てて事業を辞める時に受け取る仕組み
・掛け金は全額控除になるので、確定申告書Bに忘れずに記載
⑳消費税
・課税売上が1000万以下ならおさめる必要はないが、消費税を請求してもよい。そして売上が1000万を超えなければポケットマネーにできる
㉑法人化するタイミング
・個々の事情によりフリーランスとどちらが得か変わるので、年間利益600万円を超えたあたりで税理士に相談
㉒副業の確定申告
・副業で確定申告が必要な人:アルバイトで給料を受け取っている人、アルバイト以外で副業の所得が年間20万超の人
・確定申告をしなくてよい人:本業以外の所得が20万以下の人(売上が20万超でも、経費をひいて20万以下ならOK)。またフリマアプリでも、生活必需品は非課税
・住宅ローンや医療費控除など他の理由で確定申告する場合は、20万以下でも副業を申告する必要あり
・所得は次の4種類に分けられる
1)給与所得:アルバイト
2)譲渡所得/配当所得:株
3)事業所得/雑所得:youtube・メルカリ・ブログ収入など
4)不動産所得:家賃収入
・ブログ収入を得ている人の場合、その収入がメインなら事業所得、お小遣い程度なら雑所得
※メイン事業でなくとも開業届を出して事業所得にすることで経費の幅が増え節税になることがある
感想
一言でまとめると、漫画なので短時間で読め、お金に関する知識を身につけることができるコスパの良い本でした。
会社員であっても、源泉徴収票の見方や支払っている税金・保険や控除について知ることは無駄ではないと思います。
副業である程度の稼ぎがあれば会社員にも確定申告が関係してきますし、退職や転職によって、私のように自分の身に降りかかってくる可能性もあります。
また私はこの本を読むことで、会社に守ってもらっていた、面倒くさいことの全てをやってもらっていたのだと、会社勤めのありがたさを再認識しました。
(転職活動前に読んでいたら、できるだけ空白期間が空かないように転職先の会社と入社日を交渉しただろうな、とちょっと後悔しました。)
また、会社を辞めた時に会社に属さず働けないかな、と思ったこともあったのですが、フリーランスとして働くには覚悟が必要なのだな、とこの本を読んで思い知りました。
私が書いているのはあくまでもエッセンスなので、仕事を辞めた人、転職までに無職の期間がある人、フリーランスになりたいと考えている人、フリーランスになったばかりの人にはぜひ読んでもらいたい本です。
ちなみにこの本の発行日は少し前なので、古い情報の可能性がある+インボイスへの言及はありませんので、その点はご注意ください。
最後に
今後も読書の感想、お肌について、育乳について、パーソナルトレーニングについてなど、書きたいことはたくさんあるので、どんどん書いていきたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!